Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

旧皇族の復帰か女性宮家か(前編)

 太平洋戦争(ドイツ・イタリアが降服していたのでこの呼称を使う)の最後、すでに死に体となっていた大日本帝国は、唯一「国体の護持」を目的に抵抗していた。松代に大本営を移そうとか、満州国に逃げ延びて抵抗するとか言っていたが、ソ連の参戦で満州国案は吹き飛んでしまった。で、何が「国体」で逃げ延びさせるかというと、それは天皇家であった。
 
 僕は、昭和天皇が逃げ道を探せと言われたとは思わない。実質的に当時も「象徴天皇」の面はあって、陸海軍を始めとする首脳陣が「国体」として奉じている対象が天皇家だったと思う。それはなぜかと言うと、明治維新以降近代国家を目指したこの国では、「万世一系天皇」というのが、大きな旗印だったからである、
 
 アメリカは独立200年ほどの新しい国、ドイツが統一されたのはもっと新しい。伝統国家であるイギリス・オランダ・中国等にしても、王朝が入れ替わり1500年以上同一の統治体制などあったことはない。だから日本は特別な国であり、一流国家であるという理屈である。この主張は日本国民を鼓舞するとともに、国際社会への強いメッセージだった。

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 日米間の緊張が高まるにつれ、米軍諜報部門では「本当に万世一系か?」との疑問を持ち日本史を研究、南北朝時代に系統は絶えたのではないかとの仮説までもっていたという。極めて戦略的な諜報戦である。
 
 戦後70年経って、また天皇家存続という問題が浮上してきた。小泉内閣でも一時期議論があったようだが、秋篠宮家に男子が誕生し一旦問題は沈静化していた。それが今回、秋篠宮家長女眞子さまの結婚話で再燃した格好である。女性皇族は、今の規定では民間と結婚すれば皇籍を離れる。このままでは皇族がどんどん減っていき、「国体」が維持できないではないかというわけ。
 
 対処方法としては、2つ道があると専門家は言う。女性皇族を皇籍に留めるため女性宮家を創設するということと、1947年にGHQの指示により皇籍を離れた11の宮家(51人)の家系を皇族に復帰させるということである。
 
 
<続く>