Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

医療はユニバーサルサービスか?

 政府の「働き方改革」という方針は間違っていない。ただその実施にあたっては、いくつか解決しなくてはいけない問題がある。

 
 ・生産性を維持したうえで、どうやって労働時間を減らすか。
 ・残業手当が生活費に組み込まれてしまっている人の生活を、どう維持するか。
 
 の2点は、少なくとも対処せざるを得ない喫緊の課題だ。特に生産性の維持というのは、できる職場とそうでない職場がある。僕が入社したころの職場では、無駄な会議が一杯あった。事業部長会議・本部長会議・部長会議・課長会議・課内会議と同じ内容の(時に伝言ゲームで間違った)情報が上から降りてくる。これなどは社内イントラ等情報伝達方法の改革によって改善された例だ。
 
 ただそう簡単に生産性の維持ができない例もある。例えば初等中等教育現場、クラブ活動の指導などで特定の教員に負荷がかかっているようなケースだ。もっと深刻なのが、過疎かそれに近い地域の医療現場。地域医療の維持のため、例外的にだが年間残業時間の上限を2,000時間とするという方針に非難が集まっている。(しんぶん赤旗の記事をリファーしたのは初めて!)
 
 
 TVニュースでも見たが、地方医療現場の労働環境は異常と言っていい。僕自身も繁忙期月間100時間くらいの残業は経験したことがあるが、160時間となると想像できないしこれが年間続くようなら2~3年しかもたないように思う。それを強制しなくてはいけないのが、地方の医療の現実らしい。これに耐えられず現場を去る医療関係者がいるのは当たり前で、それが残った人に負荷をかける。まさに負のスパイラルだ。
 

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 そこで頭に浮かんだのが、「医療はユニバーサルサービスか?」という疑問。本当に津々浦々まで届けないといけないのか、考え込んでしまった。もうそれは限界に来ていて、必要な人は医療のあるところに移るのが基本になるのではないか。
 
 初夢として、5Gの普及はユニバーサルサービスではないということを紹介しそれによってコンパクトシティを実現するということを書いた。高度な通信がユニバーサルサービスでないなら、高度な医療もそうあって不思議はない。問題なのは、高度な通信のエリアと高度な医療のエリア、その他の高度なサービスのエリアが全部バラバラになることではないでしょうか。
 
<初出:2019.1>