Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ハワイは越えたけれど

 沖縄への観光客数はどんどん伸び、とうとう年間でハワイを抜いたという記事があった。現に僕ら夫婦も、今年は定宿「ムーンオーシャン宜野湾」の予約をとることができなかった。で、今年はベイスターズのキャンプには寄れず仕舞い。東南アジアとの航空路線が開設されたせいもあろうが、主要因は中国人観光客の増加、それもクルーズ船の寄港である。

 
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/243852
 
 飛行機に比べ、大型クルーズ船はケタ違いの人数の観光客を運んでくる。しかし、この人たちが多くのお金を落としていくかについては疑問符が付く。那覇の埠頭から国際通りまで歩き、特に沖縄のものではないお土産を買っていく。飲食も船内でするので、タクシー等交通機関や飲食店には益はない。

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 それゆえ上記の記事にあるように、数はともかく質の向上が当面の課題となる。平たく言えば、来訪顧客一人当たりの地元に落としてもらえたお金の多寡を増やしましょうということ。しかし、それはそれで難しい問題が控えている。例えば交通渋滞。増えた観光客が「観光地」に殺到するのだが、それが激しい渋滞を引き起こす。
 
 公共交通機関が路線バス頼りの沖縄だからレンタカー需要は大きく、空港で借りようと思っても2時間待ちなどという状態である。やっとの思いで借りたレンタカーで渋滞に巻き込まれたら、普通の人は嫌になるだろう。最悪なのは需要増を当て込んで投資したら、嫌気がさした観光客が去っていき投資回収がコゲつくこと。
 
 インフラ整備は一朝一夕にはできない。道路も鉄道等の公共交通も、レジャー設備も、宿泊施設もバランスをとって進めないと突出したところや遅れたところがネックになって、観光客は離れていく。オアフ島のアラモアナからダウンタウンにいたるエリアをハワード・ヒューズ財団がコーディネートして開発していますが、沖縄でもそういう発想が必要でしょう。
 
<初出:2018.5>