Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

フランクフルト中央駅

 フランクフルトの旧市街「インネンシュタット」から300mほど西にあるのが、中央駅。地上に長距離鉄道のターミナルがあり、ここで行き止まりになっている。このような構造はいろいろな街であるのだが、中心地の中までは鉄道を乗り入れさせない形だ。

 
 鉄道が登場する以前に城壁で囲まれた街は出来上がっていて、狭い城壁内の旧市街に鉄道をひく余地はないし、鉄道のばい煙や騒音は市街地から遠ざけておきたいとの意図もあったようだ。もちろん今は駅を含めて市街地が拡大していて、全部を飲み込んでしまっているのだが。
 
 中央駅の地下には近郊鉄道(Sバーン)や地下鉄(Uバーン)が走っている。空港方面から来たSバーンは中央駅を通過後、「インネンシュタット」の地下へと向かう。中央駅前の地上には何本かのトラムが乗り入れていて、空港からアパートメントに向かう時は、ここでトラムに乗り換えた。

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 中央駅の正面から「インネンシュタット」へは、カイザー通りという比較的広い通りが真っ直ぐ続いている。有名な巨大ユーロのモニュメントを見ながら、カイザー通りを中央駅まで歩いて行った。見通しがいいので中央駅の正面がはっきり見える。ユーロのモニュメント周辺は、文字通り国際金融の街。スーツ姿の金融マンと思しき人たち高層ビルの谷間を歩いている。
 
 100mほど行くと、飲食店や商店が多くなる。5~6階建ての古式ゆかしい建物が連なっていて、歩いている人たちも中東系・東洋系が多くなる。さらに駅前に近くなると、酒瓶を脇に座り込んでいたり、何人かが車座でタバコを吸っていたりする。観光案内によると、昼間でもひったくりなどが横行、路地に入ると警察も手を出さないエリアがあるらしい。
 
 このあたりには、アラブ系や中華系の食材店、全品1€のユーロショップ、雑貨の安い店などが並んでいて、人種も様々だ。わずか300mでのこの落差、ある意味都市の光と影を見るような通りである。パリのリヨン駅前よりはマシですが、駅周辺は気を付けて歩かないといけないようです。
 
<初出:2018.12>