Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ここでも定年延長

 延長国会もいよいよ終了。いったいこの1ヵ月の延長は何の意味だったのか?働き方改革で、高度プロフェッショナル制度を含めた労働法制の見直しはできた。1,000万円を越える年収の人で残業手当を受け取っているケースはどのくらいあるのか、寡聞にして僕はそんな人は知らない。

 
 ゴリ押しする与党も与党なら、徹底抗戦を叫び引き伸ばし戦術を駆使する野党も野党である。IR法案だって経済発展に寄与するとは到底思えず、依存症対策の議論など正直時間の無駄遣いである。その陰で僕らが期待していたサイバーセキュリティ基本法の改正案が、審議に入ることもなく先送りになってしまった。今やって置かないと、2020年のオリンピック/パラリンピックまでにサイバー攻撃への体制を整えられるかどうか非常に不安である。ほとんどの政党が反対することはないと見られていただけに、残念である。

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 その国会、秋の自民党総裁選も話題ではあるがいまいち盛り上がらない。それよりも、はやばやと来年夏の参議院議員選挙に向けた準備が始まっている。「身を切る改革」のはずなのに、さっさと参議院議員定数の6増は決まった。続いては、自民党の第一次公認候補の発表である。
 
 
 驚いたのは70歳定年と決めていたはずなのに、これを越える年齢の人たちが7人も公認に入っていたこと。事実上の定年制廃止だと、この記事は書いている。人生100年時代などと御目出度い文句で飾っているが、これは年金支給年齢引き上げの前触れだと多くの人が予感している。それなら定年延長できるのかというと、民間では簡単ではない。延長してもらえたとしても、年収が激減するとか環境が変わるなどということは当たり前になっている。
 
 それが議員先生だけは「定年フリー」というのでは、有権者の理解が得られないと思う。もちろん、党利党略で議席を守れそうな人なら公認したくなるのは当然である。ただ、前には定年制を決めたこともあるのだから、廃止するならちゃんと説明すべきだろう。なしくずしの今回のやり方は感心できませんね。
 
<初出:2018.7>