Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

夏の甲子園、清宮効果

 どうしてこんなコンディションの悪い時に夏の甲子園大会はあるのだろうと、昔から思っていた。学生時代は甲子園に足を運んだこともあり、東海大相模の原内野手や村中投手の試合をみた記憶がある。それにしても暑かった。グラウンドの選手たちはもっと暑かったろう。

 
 今年は、打棒爆発の大会になったように思う。本塁打が大会記録を11年ぶりに更新、68本が乱れ飛んだ。決勝戦も大会全体を象徴する打撃戦となり、スコアは14-4。安打数を見てみると、優勝した花咲徳栄が16本、準優勝に終わった広陵も13本を放っていた。スコアほどの差はなかったことがわかる。
 
 一日で強豪同士の試合4つを見ることができるとしてツウに評判の高い準々決勝の日だが、勝利校のうち最小得点だったのは東海大菅生の9得点。天理に敗れた明豊も9得点していた。有力校がプロ化しているとか、金属バットのせいだとか、いろいろ原因は語られるが打力が強くなっているのは間違いがない。

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 プロ野球の世界でも30~40年前に同じような議論があったが、投手は生身で投げるだけだが、打者はピッチングマシンの登場やウェートトレーニングの導入で格段に進歩した。そこで投手側は完投をあきらめ救援専門職を作ったり、ワンバウンドするような縦の変化球を身につけるようになった。
 
 それにしても、今大会は打力が上回り過ぎた印象がある。一部に「飛ぶボール疑惑」というものがあるが、僕もそれが真実だと思う。理由を穿って考えると、早稲田実業の清宮選手に思い当たる。彼が天性のスラッガーであることに疑いはないが、高校通算新記録を作って以降のメディアのフィーバーぶりはすごかった。
 
 そこで新記録が甲子園で次々に生まれてくれれば、メディアとしては万々歳だったろう。結局彼は甲子園に来ることはできなかったのだが、それを期待した大会主催者が、本塁打の出やすいボールを試合球に選んだのだろうと、僕は思いますね。
 
<初出:2017.8>