Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

大学という人生のステップ

 自分が就職活動をしていたころはこんなものだと思っていたのだが、よく考えると「就活ルール」というのは不思議なものである。所詮は個人と企業の「民民契約」なので、いつから契約交渉をして契約締結するかなど自由のはず。このルールは別に法律で決まっているわけでもなく、紳士協定だとのこと。

 
 「物言う経団連」の新会長が廃止に向けた言葉を発するや、業界では大騒ぎになっている。よく発言内容を見てみると、「経団連が決めるべきものではない」というのが主旨のようだ。目安が必要なら、大学が示してもいいし、政府が出してもいいということかもしれない。海外の企業経営の経験もある人にしてみれば、通年採用はあたりまえだしもちろん採用選考の対象も日本人に限らない。
 
 企業活動がグローバル化している中で、採用活動もガラパゴスではいられなくなっていると思う。その視点からは、これまでメディアに出てきた意見にはうなづけないものが多かったのだが、さすがにNewsweek、正論が掲載されていた。
 
 
 特に文系大学生の専攻などはむしろ邪魔、経済・会計学を学んだ学生は「色が付いていて使いにくいから、経理には配属されない」との指摘は正しい。結局これまでの日本企業が大学生に求めていたのは地頭の良さであって、専門性ではないということだ。

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 実はこの話は文系に限らない、以前からIT人材が不足だと言われ続けているのだがコンピュータサイエンスの研究室よりも、普通に重電系・弱電系の研究室を好むIT企業もいる。即戦力を育てられない大学という問題もあるが、企業側も大学にちゃんとした「要求仕様」を示していないのではないか。
 
 「就活ルール」に一石が投じられたことによって、いずれはこの点に議論が至ると思います。企業も大学も、変わる勇気と本気で人材を育てる覚悟が求められますよ。
 
<初出:2018.9>