Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ドゥテルテ大統領への提案

 就任当初は「フィリピンのトランプ」との呼ばれて、無軌道な言動がめだっていたドゥテルテ大統領だが、このところある意味落ち着いた政策運営になってきているように思う。確かに汚職(容疑の)警官を集めて「汚職を止めないと殺すぞ」と脅しつけたり、「麻薬犯罪者は問答無用で撃ち殺せ」と命令するなど、日本人の感覚では「独裁者」ではないかと思ってしまう所業もある。

 
 ただこの大統領、多少教養に欠けるところはあっても、正義感の強い人物であると僕は思う。今回も密輸された高級車、高級2輪車を集めて「公開処刑」のようにブルドーザーで踏みつぶすところを内外に公表した。富裕層をやっつけることで庶民の人気取りを図っているとする評論家もいるが、純粋に「悪を憎む」ゆえの、やや暴力的ではあるが正当な行為ではなかろうか。 
 
 
 決して豊かな国ではないフィリピンで、今回鉄くずになった車たちの時価は6億円あまり。これまでは政府で接収したものを競売にかけていたのだが、それでは密輸組織の上前を政府がハネているとのそしりを受けることになる。これを嫌ったものらしい。

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 大統領は、テロ・麻薬・汚職・密輸などを徹底的に取り締まり、根絶への姿勢を見せることが自らの職分を考えている。しかし「浜の真砂は尽きるとも、世に盗人のタネは尽きまじ」であることも分かっているようだ。
 
 自らもテロの最有力ターゲットであることを覚悟しながら、信念を曲げないところは見上げた政治家である。日本の政治家さんたちも見習っていただきたいとは思うのだが、ドゥテルテ大統領にも提案を申し上げたい。もう少しマイルドな物言いをされるよう、スピーチライターを選ばれてはいかがでしょうか。
 
<初出:2018.8>