Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

放送と通信の融合(前編)

 政府の規制改革推進会議(議長:大田弘子政策研究大学院大学教授)が、放送法の改訂など含めた放送業界の規制改革を議論している。争点となっているのは、

 ・放送の政治的公平性を求めている放送法4条の撤廃
 ・外資の参入規制撤廃や、放送設備と番組制作の上下分離

 である。現時点では政府は放送法の改訂などを検討したことはないと言っている(大本営発表?)し、野田総務大臣も慎重な姿勢を示している。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28943510T00C18A4EE8000/

 背景にあるのは、やはりインターネットの普及と活用範囲の急拡大だろう。TV番組のネット同時配信も当たり前になってきたし、TVを見ないでPCやスマホで視聴する人も増えてきた。20年位前に業界でささやかれていた「放送と通信の融合」が、そろそろ現実のものになってきている。両者は日本ではいずれも総務省(旧郵政省)管掌分野なのだが、以前は事業者も少なく厳然と分離されていた。

 

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 放送はNHKと民放連が中心で、あとは地域ケーブルネットがあるくらい。ラジオやTVで視聴するもので、マス相手の情報提供手段である。下請け企業やタレントプロダクション等は使うものの放送設備や番組制作は自前で、垂直統合型ビジネスだった。

 
 通信もかつては電々公社や郵便局が独占、垂直統合の典型モデルだったが通信の自由化で徐々に様相が変わってきた。電々公社は分割民営化され、国際通信中心だったKDDIも加わり新しいプレーヤーの参入が相次いだ。郵政公社も民営化されて日本郵政になり、いろいろなサービスを試行してくる。
 
<続く>