「森友学園問題」が口の端の登らなくなってきたところで、今度は「加計学園問題」である。安倍総理夫妻がお付き合いされている、とくに関西のお友達については悩ましい人たちが多いようだ。国有地払下げの値下げ90%超というのは異常だし、国有（国民）財産の横流しのような話であればこれは許しがたい。
しかし獣医学部の新設に関して規制緩和をすることは、それ自体悪いこととは思わない。もちろんこれに関して今治市等から不適切な用地の提供などがあれば、調査の余地はある。ただ、今取り上げられているのは「総理のご意向」などと書かれた文書の存在／非存在という些細なことなのが気にいらない。
そもそも、何十年も学部の新設が行われなかったということ自体がおかしい。もし需要の少ない学部であるならば統廃合もあってしかるべきだが、そういう話も聞かない。何十年もずっとそのまま、というのは僕の業界では考えにくいことだ。これは与党の農林族議員や関係団体の圧力で、文科省が認可しなかったということであろう。
こういうのを「岩盤規制」というべきで、これを突破しようというなら悪い話ではないし、そこに「総理のご意向」があるのは不思議ではない。それがなぜこのような騒ぎになっているのかというと、政局になるかもしれないという可能性からだ。
安倍一強と言われるが、実際に内閣を支えているのは菅官房長官である。霞ヶ関OBによれば、各省の人事にも露骨に介入し霞ヶ関をほぼ統治しているという。小泉内閣でも似たようなところはあったが、今は戦後最強の官邸だと思われる。表だって太刀打ちできる人はいない。野党もいろいろ騒ぐが、実質何かできるわけだはない。
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