Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

台湾ラーメンの謎

 名古屋の事業所に勤務していたころ、若気の至りで夜の街をハシゴすることも多かった。一番多いパターンが地下鉄の駅近くの居酒屋で呑み、それから付近のスナックへ。キープしてあるボトル(バーボンのことが多かった)で軽いツマミをとって、カラオケで何曲かというもの。

 
 大体はそれで帰るのだが、そのスナックが結構職場の仲間の出入りが多く、どこか別の居酒屋で呑んだり、麻雀を終えてやってくる人たちもいて、期せずして会ってしまうこともある。普段は無口なのだが、どうしても最後の締めに辛いものを食べたいという部長がいて、その人に引っ張られて辛いラーメンの店に三次会として行ったことも何度かある。

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 それが地下鉄駅からなだらかな坂を降りてきた途中にある「味仙」という店。売りは「台湾ラーメン」で、小ぶりな丼に麺を入れ、赤いスープを掛けたもの。トッピングはひき肉とニラの炒めもの。赤く輝いているトウガラシもたっぷり入っている。各自に熱々辛々の丼が行き渡ると、この部長さんは若いもの相手に「勝負」を挑む習性がある。要するに早喰い競争である。
 
 猫舌の上に辛いもの好きでもない僕には到底まねのできない速度で、部長さんは丼を空ける。まあ拍手のひとつもしてやれば、満足して帰っていくから可愛いものである。この「味仙」という店、名古屋市周辺に10店舗あまりがある。HPによると、1960年台湾出身の郭さんという人が台湾小皿料理のアレンジとして開発し広めたものらしい。台湾旅行ではお目に掛かれない「名古屋名物」である。
 
 その亜流は日本中にあるようで、写真は近所の「謎の台湾料理店」で出される「台湾ラーメン」。このチェーンも名古屋資本で、中国人を雇って料理を教え2週間で開業させるという手法で店舗を増殖させている。名古屋つながりではあるものの、「味仙」とは関係がないようだ。食べてみたのですが、見た目は似てはいても味はまるきり違うものでした。
 
<初出:2018.10>