Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

鳥刺し、霜降り

 暑くなってくると鍋物はもちろん、焼き物・蒸し物も敬遠したくなる。マグロなどお刺身がディナーの筆頭候補に上るのだが、昨今は魚の方が肉より高いくらいでコストに問題が残る。そんな時、重宝するのが鶏肉。子供の頃、母親が鳥のササミ料理をよく作ってくれた。ササミのフライ、唐揚げのほか、夏の定番は「霜降り」。スジを抜いたササミを湯にさっとくぐらせて周囲が白くなり、切ってみると中味は半生もしくは生。これをしょうが醤油に付けて、親父は晩酌をやっていた。

 母親は少し火を強めに入れたものが好きで、親父は半生が好きである。僕も半生好きで、独身時代も霜降りはよく作った。今も、値段の手ごろなササミ肉、もっと手ごろな胸肉は当家の食卓によく上る。そんな鶏肉だが、気になる記事があった。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180531-00000528-san-soci 

 以前紹介したアニサキスほど危険ではないが、鶏肉に含まれるカンピロバクターによる食中毒が増えているという。先ごろ牛・豚のレバーの生食は禁止になり、数少ない生食用肉なので、飲食店でも鶏肉の半生は有力なメニューである。それも禁止されると、困る店も出てくるだろう。しかし、この記事にあるように昨年日本での食中毒1,000件ほどの内、32%を占めるのがカンピロバクター原因となれば保健所なども無視はできない。

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 しかも新鮮でも安心できないとなれば、どうやって「半生」を食べたらいいのだろうか。昔「美味しんぼ」というマンガで、サーモンを生食するのに顕微鏡を使ってアニサキスの有無や個数を調べるという話があった。素人にそんな芸ができるわけはない。

 暑い時期の適当な食材なのに、食べられないとしたら残念である。しかし中高年は体調が思わしくないときに食中毒になると、命の危険があるかもしれない。結局、自分の体と相談してあとは「運を天に任せて」たべることになるのでしょうか?

 
<初出:2018.6>