Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

北極海航路への期待

 IT屋ではあるが単にITを作っているだけでは飽き足りず(というかモノづくりでは役に立たず)、ITを何に使えばいいかを早くから、僕は考えていた。その結果いろいろな業界(金融、建設、運輸、行政など)に首を突っ込んだ。以前5回にわたってご紹介した「日本の港湾」もそのひとつである。
 
 
 その議論で分かったことは、例えば横浜港とハンブルグ港を結ぶのに従来の航路だと21,000kmなのに対して、北極海を廻れば13,000kmになる。地球温暖化による海面上昇は困ったことだが、北極の氷が溶けた結果こういうメリットもでてくるわけだ。北極は南極と違って大陸ではなく、純粋に氷の固まり、いわば大きな氷山である。
 
 
 従来航路には距離が長いと言う問題のほかにも、海賊の巣と言われるマラッカ海峡ソマリア沖というネックが存在する。世界でも貧しい国のひとつであるソマリアなどでは、海賊をやると立派な御殿が立つという。俺も俺もと参入してくる連中がいるのは、ある意味仕方がない。

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 ベーリング海を抜けて北極海に入れば、人口密度は極端に低い。寄港地にろくなものがないのは問題だが、本格的な航路開設となれば最低限のものは整備できよう。心配なのは、昨今のロシアのコワモテぶり。クリミア/ウクライナ、シリアに加えて、バルト三国侵攻という噂すらある。
 
 そんなことになったら冷戦の復活・・・どころか第三次世界大戦すら危惧される。航路はもちろん、シベリア上空を飛んでいる日本・欧州便もアンカレッジ乗り換えの時代に戻りかねない。まあ僕としては、見ているしかないのですがね。
 
<初出:2018.4>