Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

同一住所の250世帯

 岐阜市鷺山という懐かしい地名を、TVニュースで聞いた。新岐阜駅前から市街を巡る循環バスが出ていて、一回り1時間くらいだろうか?子供のころ、何回か乗った記憶がある。循環バスのちょうど中間あたりにあるのが、鷺山というところ。新岐阜駅の真北、4~5kmのところにある。

 
 周りから50mほどの高さの丘があって、城跡が微かに残っている。このお城(鷺山城)は、美濃の戦国大名斎藤道三が隠居して暮らしたところ。新岐阜駅の北東にある岐阜城(当時は稲葉山城)でこの国を統治した道三だったが、この丘で余生をすごそうとした。実際、この丘からは岐阜市街が良く見渡せる。

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 ここには、今はもう行き来はないのだが、母の姉一家が住んでいる。年恰好の近いイトコが3人いて、小学生のころにはよく一緒に遊んだ。鷺山の南、バス停から数分歩いたところだったと記憶している。そんな鷺山からみのニュースとは、「鷺山1769-2」という住所に250世帯がいるということ。
 
 
 別に集合住宅ではなく戸建てばかりなのだが、戦後の混乱期に付けた住所表記がそのまま残っているのだ。住所体系としては、かなり以前にいきなり番地で始まる形式から、何丁目何番地何号の表記に変わっていったはずである。僕が子供の頃は、2-6-10などとなっていれば街中、347-2となっていれば田舎と判断していた。新住所表記は徐々に都市部から郡部へ広がりその改編はとっくに済んだものと思っていた。
 
 それがこんな都市部で未だに残っているだけでも驚きなのに、250世帯も同一住所という不便きわまりない状態を続けていたことに唖然とした。この記事ではその原因はわからないが、少なくとも行政として怠慢のそしりはまぬかれまい。
 
 郵便システムに少しだけ関わった経験があるのだが、これは郵便局の人は困っただろう。郵便区分機という機械は、郵便番号だけではなく宛名の住所を何丁目何番地何号まで読み取ることができ、その精度は99%に近いものだ。しかし、宛名のお名前を読み取る機能はありませんからね。
 
<初出:2018.10>