サッカーのワールドカップでは、ロシアチームの健闘もあったし開催国としての振る舞いも期待以上だったこともあってロシアという国の評価は少し高まったようだ。とはいえ国際情勢の中ではロシアは相変わらず危険な存在である。トランプ・プーチン会談などはすでに「怪談」の領域に来ている。
マイナス成長の影響は諸物価の値上がりや、社会保障関連のカットに反映してきていて市民の生活は苦しくなっている。プーチン大統領の支持率も下がっている。それでも、相変わらず「軍事技術開発」のニュースは流れてくる。超高速の無敵ミサイルの話などはマユツバものだったが、今度は「透明マント」ときた。
兵士や車両を見えにくくするコーティング技術を開発したとこの記事は言う。確かに見えなくすることは難しくても、見えにくくすることはできる。カモフラージュ塗装そのものは古い技術でもある。正直、大した話ではないと思うのだが、記事の後半に熱を分散させる布を使った被服やレーダー波を吸収するシートのことが書いてあった。
これらは米国等の技術開発なのだが、こちらの方がよほど実用的である。現在の戦場では最初に敵を認識するのは、視覚ではなく赤外線や電波によるからだ。兵士も車両も、必ず熱(赤外線)を出す。いくらカモフラ塗装をしても、これは隠せない。
国威高揚のためか、軍事産業の売り込みのためかはわからないが、あまり合理的でないこのようなニュースを流してくるのは、ロシアが追いつめられているからだろうか?そういえば今年のCeBITではロシアのブースで「Made in Russia」のロゴを見ました。少なくともビジネス拡大には熱心なようですが。
<初出:2018.7>