Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

韓国の若者の就職先

 先日ある大学で国際経済を専門にしておられる先生の研究室と、簡単な会議・会食をする機会があった。韓国人や中国人留学生も含めて10名くらいの大学生も一緒だったのだが、皆一様に明るい表情をしている。日本国内の就職事情が、学生から見て好転しているかららしい。確かに自分も大学を卒業する頃はまだオイルショックをひきずっていたので、就職先に苦しんだ同級生は何人かいた。僕自身の就職は2年後だったので、そのころは割合好転していてほっとしたのを覚えている。

 この研究室は、前日までソウルに行っていたという。現地の大学との共同研究でもしているのだろうか。その内容を聞く前に、「いや、ソウルでは一杯呑みました」という話になった。呑みすぎか、はたまた辛いものの食べすぎか、胃腸が不調の学生もいた。僕も7〜8年前まではよく旅行で行ってソジュ(焼酎)を呑んだものだったから、ひとわたり飲み物・食べ物の話になった。その後、先生がぽろりと「ソウルの景気は良くない」とおっしゃる。

https://japanese.joins.com/article/269/247269.html 

 主力の半導体自動車産業が傾いてきていて、市井のサービス業も最低賃金の吊り上げによってどんどん廃業に追い込まれている。公務員などは開かれた就職口のはずなのだが、コネなりなんなりがハバを利かせているようで巷には失業者があふれている。先日日本企業が就職説明会をしたところ、想定より多くの学生・浪人生が集まったという。(中国人などよりは)比較的日本人のメンタリティの近い韓国の青年たち、人出不足解消なら彼らに日本に来てもらえばいいと思う。


    f:id:nicky-akira:20190525170020p:plain

 もう15〜20年は前のことだが、社内研修の講師をしたときに韓国人のエンジニアが交じっていた。もちろん弊社の正規雇用者である。懇親会で話を聞くと、当時は韓国も景気は悪くなかったのだが、「韓国企業の定年は45歳です。それ以降も会社に残れる人は一握りです」という。だから彼は日本企業に就職することを希望し、そうできたというのだ。僕が実業の人たちと同じフロアにいた最後は5年前なのだが、そこにも韓国人の青年技術者がいた。事情は聞かなかったが、自信をもって会社生活を送っていることは傍目に見て良く分かった。

 経団連(会長)の「就活ルール」発言で一騒動あったが、時期だけではなく国籍も含めて採用は自由であるべきだと思う。日本人の大学生採るのが(時期の制限などあって)面倒なら、外国人を採ればいいなどという経営者もきっといるはず。そういう視点でみると今の「入管法改正議論」はむなしく思えてしまうのですが。
 
<初出:2018.12>