Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

共産主義の脅威としての宗教

 朝鮮半島は、特に日本が国力をつけてきた近代以降、日中二国の間にあって苛酷な運命を余儀なくされている。第二次世界大戦後も、日本+米国と中国の狭間にあったのだからその状況は現在も続いている。現在の文政権でも、大きく変わりつつある日米中三国の位置関係にある意味翻弄されていると思う。

 
 複数の大国に挟まれた小国の運命は、例外なく苛酷だ。ポーランドという国はドイツとロシアに間にあり、国がなくなってしまったこともある。このような問題は、中国とロシアの間にある「トルキスタン」という今はない国にもあてはまる。
 
 
 この記事は、東トルキスタンにあたる現在の新疆ウィグル自治区からカザフスタン(かつての西トルキスタン)にカザフ人2,000人ほどが出国していることを伝えている。事実はこれだけだが、この現象は中国の当該自治区への支配強化の予兆だというのが主張。

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 トルキスタン遊牧民族の国で、もともと国境も定住地もない。住民の多くはイスラム教徒で、イスラム国(IS)の戦闘員供給源でもある。そこを漢民族(これの定義も広範にわたるのだが)の農耕社会にしようというのが中国政府の意図で、すでにウィグル族を迫害しQRコードで管理するなどしていると聞いた。
 
 もちろん版図拡大の意味はあるし、イスラム教徒の締め出しもやりたいはずだ。本来共産主義と宗教は、理念として相容れない。その上、中国の王朝が倒れるときの前兆は狂信的な宗教の勃興である。黄巾の乱太平天国の乱も宗教色の強いものだったから、現政権が新疆ウィグル自治区イスラム教徒たちを警戒するのもよくわかる。現時点でも法輪功などは弾圧の対象だ。
 
 もちろんその北にある国ロシアも、決して領土欲のない国ではない。しばらく前のクリミア併合や、北方領土交渉を見ればよくご理解いただけるだろう。ただロシアも人口で5倍以上ありお金も持っている中国と表立って事を構えるはずはなく、自治区の混乱に乗じて何かの仕掛けをするくらいだろう。それにしても間に挟まれた国の人たちにとっては、迷惑な話です。
 
<初出:2019.2>