Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

いつか来た道(安倍政権)

 いわゆる「もり・かけ」問題が下火、というか耳にしなくなったと思ったら、「賃金に関する勤労統計調査不正」問題が持ち上がった。これは民主党政権時代も含めてだが、長期にわたり全数調査すべきところをサンプル調査にし、近年になってシステムを改修して全数調査に近づける補正をしている。

 
 規定では全数調査をすることになっているにもかかわらずサンプル調査で済ませていたことを、幹部(局長級・官房長も?)も知っていたとの報道もある。この記事(山口先生の寄稿)にあるように、調査統計は国の政策の根幹、ここに間違いがあると古いIT屋のことわざにあるように「ゴミを入れればゴミが出てくる」ことになる。

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 厚生労働省にしてみれば調査の予算が削られていく中、どうしようもなかったのかもしれない。ただ長期のその違法状態を放置した責任はあろう。ただその結果の混乱は今さら言うまでもない。いったん決した予算をやり直したり、通常国会も冒頭から大荒れだ。野党は「アベノミクスは成功したとのゴマカシだ」と追及してくる。この不正は昔から行われていたので僕はそういう意図のゴマカシではないと思っているが、何度も言われるとそうかと思う人もでてくるだろう。
 
 思い出すのは、第一次安倍内閣が倒れた時。これも厚生労働省の不手際から「消えた年金」騒ぎが起き、夏の参議院議員選挙に敗れ、安倍総理も体調を崩して退陣した。以後参議院少数与党になった(ねじれ国会)関係で政策遂行が行き詰まり、政権交代へのなだれていく。
 
 今年も夏に参議院議員選挙がある。厚生労働省に端を発した政治不信、参議院議員選挙というのは安倍総理についても「いつか来た道」である。前回の失敗に懲りて、どういう幕引きをされますかね?前回との違いは、官房長官が菅先生だということ。その手腕に注目です。
 
<初出:2019.2>