とうとう政局になってしまった。「内閣人事院」を作り高級官僚の人事を握った官邸は、政界念願の官僚主導からの脱却に成功したように見えた。「官邸に楯突くと次のポストはない」ということが、かなり露骨に徹底されていた。しかしこのまま大人しく引き下がる官僚組織ではなかったのかもしれない。
森友学園の公文書改ざん事件や前川前事務次官の小学校での講演を調査した件など、官僚機構からのリークがあったとしか思えない展開を見せている。この後も何か出てくるかもしれない、おそらく出てくるだろう。それにしても官邸のアキレス腱となったのは、ファーストレディーである。
大麻不法所持で逮捕された元女優との交流や、原発ゼロを訴える活動家と首相を電話で会話させたことなど、正直ファーストレディーの行為とは思えない無責任さだ。もちろん困った話ばかりではなく、僕が関わったものとしてはミャンマーとの交流など外交的に意味のあるものもあった。
こういう活動は「公務」ではないといえず、霞ヶ関から何人かファーストレディー付きという役割を担った歩と達も出ていた。彼／彼女らはインサイダーの情報を持っているはずで、それらが表に出れば大変なことになるような気がする。
最強官邸がアリの一穴から崩れるとは思いたくないのですが、もう永田町の先生たちは内閣改造や総選挙をにらんで気色ばんできましたね。
＜初出：2018.3＞
