40年近くも独裁政権を保ってきた93歳(本当かな?)のムガベ大統領が、退陣に追い込まれた。亡命先の南アフリカ共和国からジンバブエに戻ったムナンガグワ氏が大統領に就くという。完全な民主主義を約束したそうだが、そんなもの出来もしなければ、あるわけもない。
41歳年下の夫人を後継大統領にしようとして果たせなかったわけだが、ブランド品を買いまくるなど贅沢を尽くした人のようで、かつてのフィリピン、マルコス大統領の妻イメルダ夫人を思い起こさせる。ここにも「絶対的な権力は、絶対に腐敗する」を地で言った政権があったのだと、改めて認識させられた。
事実上の軍事クーデターなのだが、これで治まれば別にどうということはない。気になるのは、下記の記事にあるような周辺諸国への波及だ。
「アラブの春」という現象が、2010~2012年に北アフリカや中東で起こった。チュニジア、リビア、エジプト、イエメンでは政権が崩壊、多くの国で大規模な紛争・抗議活動が起き、血が流れた。イスラム国の台頭やクルド問題の表面化など地域の不安定化に歯止めがかからず、シリア内戦などはまだ収束の見通しが立たない。
同じようなことが南部アフリカで起きれば、すでに混乱に陥っているスーダンやソマリアと併せて、アフリカ大陸の大半が不安定になるわけだ。日本政府は昨年TICAD(アフリカ開発会議)を初めて現地で開くなど積極外交を仕掛けているが、中国資本が凄い勢いで入っていることも確かだ。
「最後のフロンティア」と期待されているわけだが、不安は大きくなりつつある。いずれにせよ僕が関わることはない地域だと思って、第三者的に見ているのですが・・・無責任でごめんなさいね。
<初出:2017.11>