Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

大統領選挙

 ペルーの大統領選挙が大接戦だという。6/6の21:00時点で決着がついていない。日系のケイコ・フジモリ氏と前首相のクチンスキー氏(ポーランド系?)の決戦投票である。以前ゲリラが出没する国だったが、アルベルト・フジモリ大統領が、強硬策に出て治安を回復したのはもう20年も昔のことだ。最近またゲリラが出てきているらしく、治安の回復が求められている。。
 
 そういえば、先月行われたフィリピンの大統領選挙でも、前ダバオ市長のドゥテルテ氏が当選したが、彼もゲリラ狩りで名を売った人物である。ミンダナオ島の中心都市ダバオは、治安が悪いので有名なところ。ゲリラに密林に逃げ込まれれば、なかなか捕捉できるものではない。そこを警察力を強化して鎮圧したというのだが、正直警察力程度で抑え込めるような手合いではない。警察の範疇を越えた実力行使をしたのだろう。ここでも、力強い政治指導者が求められているわけだ。
 
 しかし、なんといってもメイン・イベントは米国大統領選挙だろう。「メキシコ国境に壁を作る」「中国・日本に産業力で勝つ」など威勢のいい言動が報道されたドナルド・トランプ氏は泡沫候補と見られながらも、あれよあれよという間に共和党候補になってしまった。民主党候補をほぼ手中にしているヒラリー・クリントン氏を、支持率で上回ったともいう。
 
 昨年の今頃、今回の大統領選挙は無風だと思っていた。日本では、議会の抵抗で施策が進まないオバマ政権は弱いという見方があるが、現地での感触は違う。後世かなり評価の高い大統領8年間だったと語り継がれるように思う。多少フケたけれどヒラリー氏がオバマ政権の後継者として控えている民主党に対し、候補者を絞り込めない共和党。現実に13名もの候補が乱立して予備選が始まってしまった。結果は見えていた・・・はずだった。

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 トランプ対ヒラリーの構図は恐らく変わらないだろうが、現時点で双方とも「大統領にふさわしくない」という人が6割いるという。史上最低の大統領選挙という声も聞かれる。トランプ氏の場合は、数々の暴言もさることながら恒例になっている資産公開を拒否しているし、なにかとうさんくさい。
 
 かたやヒラリー氏も、国務長官時代の私用メール問題がある。最初、僕は大した話ではないと思っていた。もちろん、政府の中枢にある人が私用・公用のメールを混同するのは良くない。それでも緊急でやむなくケータイから、もしくは自宅からメールしてしまったというのならあるだろうと思ったのである。
 
 それが、ロシア企業からの献金が「クリントン財団」にあり、国務長官としてのヒラリー氏がその企業に便宜を図ったのではとの疑惑が報じられた。その連絡を「私用メール」で行った、というのであれば疑惑は深い。公用メールでは記録を消せないから、都合の悪い内容を消すために私用メールを使ったと疑われかねない。
 
 米国の大統領選挙は長い。11月までまだ半年近くある。どうなるかは "Only God knows." ということだが、ひどく暗い、醜悪な選挙戦になるのでは、と危惧する。いったん白紙にできるものなら、と思う。(F.D.ルーズベルトがやったことがあるが)、オバマ三選、というのは無理でしょうかね。 
 
<初出:2016.6>