Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

オヤジの聖地の危機

 2020東京オリンピックパラリンピックに備えてか、丸の内や八重洲の再開発が完成に近づいてきた。品川・田町間の新駅についても工事の基礎ができてきているように見える。しかしその中間に取り残されたような駅がある。新橋駅には東海道線こそ停まるものの、京浜東北線の昼間の快速はこの駅を素通りしてしまう。

 
 SL広場として知られる西口前のビルもその周辺の商店街も、再開発というレベルではない部分補修に留まっているようだ。東口も似たり寄ったりだが、ゆりかもめの始発駅ができているし、その先の汐留地区は立派になっている。それでも、再開発に取り残されたエリアとの印象はぬぐえない。まあそれが風情で「オヤジの聖地」とも呼ばれ、一般人(酔客?)のインタビューにはしょっちゅう使われるところだ。
 
 その聖地としての象徴が「ニュー新橋ビル」。ずいぶん古い雑居ビルで、1階の「かつや」や「小諸そば」にはたまにお世話になる。金券ショップも多く、使えない株主優待券を買ってもらったこともある。地下には狭いカウンターだけの居酒屋や古風なパブもあって、夕刻ともなるとオヤジとオヤジぎゃるたちが闊歩する。

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 そのビルが耐震基準を満たしておらず、建て替えをしたいのだけれど区分所有者の合意を得るのが大変だというのがこの記事。確かに僕が知っているフロアだけでも小さな店舗が一杯あって、この合意形成は難しいだろうと思う。30年前から何度か足を踏み入れているが、ずいぶん店舗も変わり中には外国人所有の部分もあるようだ。
 
 これは商業ビルの例だが、区分所有マンションでも同じ問題が(多分一杯)起きている。全体最適と個別最適の間をつなぐ方法が少ないので、合意に至らずずるずると時間だけが過ぎリスクは増してゆくのだ。東京の真ん中にかつての「九龍城」のようなものが出来る前に、より簡単に全体最適が執行できるようにルール改正することが必要だと思います。
 
<初出:2018.5>