Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

湯前神社の例大祭

全体的には暖冬だったとされる今年、それでも最後に思い切りの寒波がやってきて東京23区でも積雪を観測したことがあった。シカゴでは北極並みの寒さに襲われて凍死者も出たようだし、オーストラリアでは逆に猛暑に襲われている。トランプ先生の「地球温暖化よ、どこに行った。我々には君が必要だ」というわるふざけも、あまり笑えない事態である。

 

 ずいぶん温かくなったこの日は、熱海の街を歩いてみた。このところ観光客で混み合っているこの街、10年ほど前はすごくさびれていたのに、V字回復しているようだ。市役所も数年前に建て替えられて綺麗になり、市役所前の交差点では早咲きのサクラが花壇の上で咲き誇っている。
 
 市役所から駅の方に1ブロックもどると、熱海銀座に降りていく道がある。これを逆方向に登っていくと、熱海温泉を象徴する「間欠泉」がある。ニューフジヤホテルの敷地にあるのだが、このあたり熱海でも古い街でレトロな電話ボックスがあり「最初の市外電話」と書いてある。

 

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 間欠泉からもう少し登ると、「湯前神社」という小さな社がある。熱海で有名なのは来宮神社だが、こちらは温泉街からは少し離れている。お湯の神様を祀っているのは、この湯前神社の方。
 
 熱海温泉の中心は、熱海駅と熱海銀座の間に張り出した野中山周辺である。この山、実は溶岩が盛り上がってできたもの。奥深い内部はまだ溶岩のまま高い温度を維持していて、温泉の基になっているのだろう。新幹線で東京方面からやってきて熱海駅を過ぎると、丹奈トンネルに入る前に短いトンネルをくぐる。これが野中山をくりぬいたもの。
 
 熱海温泉は徳川家康が長寿の秘訣として愛用したとも伝えられ、湯前神社からは江戸城へ献上する湯が熱海港経由船で運ばれたとのいいつたえもある。池波正太郎鬼平犯科帳」でも、長谷川平蔵が休暇で長逗留するシーンもあった。
 
 湯前神社にも大きな楠はあり、その上には「日航亭大湯」という立ち寄り湯もある。この日も大勢の観光客(外国人含めて)が来て、写真をとっていました。もうすっかり春ですね。
 
<初出:2019.2>