丼ものはひとつの宇宙だと言った人がいた。玉子丼・親子丼・牛丼・カツ丼ときて、今回ご紹介したいのは「天丼」。子供のころから好きだったのはやはりカツ丼だが、一度旅先で食べた天丼が美味しくてたまには食べたくなるメニューとなった。その経験、夜行に乗る前の大阪近辺でのことだったような気がするが定かではない。
天丼も蕎麦屋の看板メニューのひとつ。一般的にカツ丼より高く、最も高価なものだという。この高価なものをワンコインまで引き下ろしたのが、テンコーポレーションの「てんや」。天丼・天ぷら定食の専門チェーン店である。テンコーポレーションの親会社はロイヤルホールディングス。傘下には、シェーキーズ（ピザ）・はなび（和食）・カウボーイ家族（ステーキ）・スパイスプラス（カレー）・ロイヤルホスト（ファミレス）などがあり、ホテル（リッチモンド）やベイカリーもてがける大手である。
売り物はちょうど500円の天丼、これは365日食べられる。ちなみに毎月18日の「てんやの日」には、サンキュー天丼ということで390円になる。少しすくなめのご飯の上に、イカ・キス・エビ・かぼちゃ・インゲンの天ぷらをのせ、甘辛いたれをかけている。薄めのみそ汁がついてくるが、たれが濃いので、薄めでもよく合う。
天丼の「華」といえばエビであるが、十分立派な大振りのエビで丸まらないで揚げてある。素人が揚げるとまるくなってしまうのだが、串をうって揚げると上記のように見目好く揚がるらしい。僕の好きなのはキス。白身の小さな魚だが、なかなか味わい深い。
ちなみに右上に見える赤い紙きれは、次回から使えるオプション（天ぷら１品）追加無料券である。当該店だけの特別なサービスらしいが、これも嬉しいですね。
＜初出：2017.4＞
