Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

高齢化する視聴者・読者

 政治討論番組「時事放談」が9月で放送終了になるという。1957年から1987年まで放映された初代についても、いつのころからか僕は見ていた。それが終わるころ、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」(田原総一朗)や、ケーブルTVの「愛川欽也パックインジャーナル」などを見るようになった。

 
 この2番組はパネルディスカッション様の何人かのパネラに司会者が問いかけるのだが、いずれも司会者が一番よくしゃべる。それに対して、「時事放談」は政治評論家細川隆元氏が毎回別の対談相手を呼び、2人で時事を語らうものだった。
 
 2004年に再開してからは、当時東大の御厨教授(政治学者)が2人のゲストに問いかける、鼎談かミニパネル形式になった。引退した人を含めて何人もの政治家(時には学者、評論家)が登場した。ひとり暮らしの時は日曜の午前中は政治討論番組をずっとかけっぱなしにしていたが、そのトップバッターが「時事放談」だった。
 
 
 10年余り前からある業界団体の政治勉強会のメンバーになったが、幹事役の人が政界にパイプが太くゲストスピーカーに「時事放談」の出演者がよく来てくれた。この記事の写真の人、中曽根元総理が来てくれたこともある。当時でも90歳は超えておられたようだが、30分と司会者に確かめて何の原稿も見ないで、ぴったり30分お話になった。

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 べつの会には、番組の司会者御厨教授が来たこともある。「時事放談」はまあ面白い番組だったが、さすがに視聴率が取れなくなったのか、終了することになったのだろう。そこで思い出したのが、IT業界でかつて有名だった雑誌「日経コンピュータ」。このところ部数の低迷が続いているのは当たり前だが、定期購読者の平均年齢が70余歳と聞いて驚いたこと。
 
 政治討論番組も、コンピュータ経済雑誌も、新しい視聴者/読者を獲得できず、既存のファンの高齢化によってとどめを刺されたのかもしれません。
 
<初出:2018.8>