Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

庶民の中華、東西対決

 本場の中華料理を食べるのはもちろん良い体験なのだが、孤独のグルメをしなくてはならない日々のランチやディナーの機会に重宝するのもまた中華料理である。いわば和風中華なのだが、日本の街のどこでも食べられる。それも、チェーン店であればどこでも同じようなメニュー・サービスなので「さっと済ませて次へ行きたい」という時にはありがたい。この種のチェーン店の店舗数を調べてくれたサイトによると、
 
 餃子の王将 704店
 幸楽苑 514店
 日高屋 379店
 スガキヤ 363店
 花月嵐 296店
 天下一品 240店
 
 などとなっている。関西の雄、餃子の王将の健闘が目立つ。最近首都圏でも見かけるようになり、にぎわっているのが良く分かる。ベーシックな食事メニューでは、焼きそば・チャーハンが450円、醤油ラーメンが480円。

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 看板の餃子は240円、これだけではランチにならないので、ラーメンに餃子を付けるなどしている客が多いようだ。そのほか、ジャストサイズメニューとして、小盛の一品料理(ニラレバ炒め、エビチリなど)が300円くらいである。おひとりさまでも、いろいろ食べたいというニーズに応えるメニューだと思う。
 
 さて関東勢はというと、このところ幸楽苑の人気がいまいちらしい。かつては290円ラーメンで名を馳せていたものの、今はベーシックな食事メニューとしては、つけめんやあっさり中華そば421円。サイドメニューとしての餃子が216円、半チャーハンが334円。基本は中華そば屋なので、中華料理と呼べるメニューはない。

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 替わって人気上昇中なのが、日高屋。ベーシックな食事メニューとして390円中華そばがある。この価格には相当こだわっているようで、消費税が3%上がった時も、他のメニューは価格改定したのにこれだけは390円を維持した。
 
 チャーハンが430円、餃子は210円、定食は600円くらいからある。王将と比べると、中華料理のメニューは限定されているし、ジャストサイズメニューのようなものもない。バリエーションを増やさず、設備やオペレーションを単純化して「早く・安く・おいしく」をモットーにしているように感じる。
 
 王将のHPを見ると、地域別にメニューを変えていることがわかる。上記ジャストサイズメニューに見られるように、細かな配慮をしたメニューである。全国展開としては、一歩先んじている印象だ。 一方の日高屋は、首都圏に限定された店舗展開。関東でも、群馬県には店舗がない。総店舗数は、王将の54%。
 
 両者ともランチだけではなく、チョイ飲みニーズにも力を入れている。実際にこれらの店舗でお酒を飲んだことはないが、どちらで飲みたいかと言われれば、メニューの充実した王将の方を選ぶ。幸楽苑よりはメニュー豊富な日高屋だが、もう一枚上手の関西勢に殴りこまれたようなものだ。日高屋がこの挑戦を受けて変わっていくのか、今のバリエーションを限定しての「早く・安く・おいしく」を貫くのか、経営判断を見せてもらいたいと思う。
 
<初出:2016.9>