Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

市民革命と軍事力の誇示

 米国トランプ大統領が、今度は軍事パレードをやると言って世間を騒がせている。報道では、フランスを訪問しマクロン大統領にフランス式の軍事セレモニーを見せられたからだという。フランスと米国は、言語こそ違え精神的な結びつきの強い国だ。セーヌ川の中州にある自由の女神の拡大版が、ニューヨークにある。

 
 アメリカと言語が同じ国英国は、いまでも王制の国だ。中世の王制を打破し、市民革命を起こした創生者はフランスで、その意思は新天地アメリカに引き継がれているということだ。共和制を布いたフランスは列強(全部王制国家)から強力な圧力を受ける。今の北朝鮮のようだと言ったら、失礼かもしれないが。
 
 それを打ち破ったのがナポレオン体制であり、「グランダルメ(大陸軍)」はフランスの誇りである。その想いは新大陸でイギリスからの独立を企画していたアメリカに引き継がれたというのが、思想的な歴史である。だから、マクロン大統領はトランプ先生に「グランダルメ」とその意思を見せたのだろうと思う。

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 しかしトランプ先生はそのカッコよさに惹かれたのか、あるいは「ロッケットマン」への対抗意識からか、今秋首都で軍事パレードをやると発表した。報道は、戦車は道路インフラを傷つけるので参加しないとか細かなことを言っているが、11/11という「Veterans Day」に軍事パレードを企画することの意味は大きい。とかく忘れ去られそうになるのが祖国のために戦い、傷つき(含むPTSD)、満足な職も得られない人たちのこと。彼らのための企画ならば、仮に32億円かかろうとも賞賛されるべきだろう。
 
 
 ベトナムで捕虜となり今でも肩よりうえに腕が上がらないマケイン議員(元大統領候補)などと違い、トランプ先生に軍役記録はない。ただの人気取りか、ロケットマンへの対抗意識かでこんなことをするのであれば、本当の無駄遣いでしょうけどね。
 
<初出:2018.3>