Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

笹川平和財団の提言(前編)

 霞ヶ関の南、虎ノ門から溜池山王にいたるエリアには、シンクタンクがいくつかある。笹川平和財団もそのひとつ。「公営競技」を取り仕切っていた故笹川良一氏が設立したもの。僕自身は仲間内でする麻雀以外のギャンブルは全くしていないが、人生で2度関わったことがある。

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 最初は「公営競技」の運営をする会社「日本トーター」からシステムの引き合いを受けた時。普段はまるきり縁のない管理部門の課長さんが「公営競技」にやたら詳しく、どういうものかの講義を受けに言った。この方、かなり授業料をつぎこまれたらしい。

 二度目はボストンのタフツ大学との連携を考えて、何度か渡米したころ。タフツ大フレッチャー校は、同じボストンのハーバード大ケネディ校と並ぶ外交官の養成機関である。ここに笹川ファミリーが多額の寄付をしたらしくその名を冠した会議室があった。「SASAKAWA Conference Room」と表札がかかっていたのを思い出す。

 今回三度目のお付き合いとなったのは、同財団の安全保障事業グループが、サイバーセキュリティ強化の提言を出し、その公開イベントを開催したことによる。昨今産業界で注目されているテーマだが、安全保障に関わる領域の議論はあまり無かったから、勉強のつもりで参加した。

https://www.spf.org/security/publications/20181029_cyber.html 

 この財団ではしばらく前から月例でサイバーセキュリティをテーマにした講演会を開催しているが、今回はスペシャルイベントということでいつもより多くの聴衆が集まった。おおよそ150名はいただろう。何人かTVのニュース番組で見覚えのある顔も見られた。気づいたのは、ほとんどが高齢の男性だということ。

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 まあ女性が好む話題でもない(戦争もデジタルも)ので男性中心は分かるのだが、提言とりまとめの大澤主任研究員(中曽根平和財団)が一番若いのではないかと思わせるほどだ。質問に立った人たちも全員高齢者、「自分は老い先短いが、日本の将来を憂えて聞きたい」などとおっしゃる。日本を取り巻く環境は厳しくなっているのだが、若い人は安全保障になど興味が無いのだろうか?

<続く>