Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

こんなところでもAIが雇用を奪う?

 4月はいろいろなもの一新され、TVでも当然大きな番組変更が起きている。NHKが「AIアナウンサー」を導入するというのが、業界に衝撃を与えている。平日夜11時という目立たない時間だが、5分だけ「ニュースのヨミ子さん」が登場する。

 
 このところのNHKの大衆迎合はひどいと思っていた。特に「ニュース9」は、さまざまな小道具を繰り出してきて、毒にも薬にもならないコメントを並べ最後はスポーツという民放のバラエティみたいである。スマホ世代にはバーチャルのアナウンサーでもいいだろうということかもしれない。NHKの中でどんな議論があるだろうと思っていたが、NHK内でというより民放で重く受け止められているとの記事があった。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/226052

 以前国会質問への回答を人工知能にやらせるというアイデアが、某所で議論されていたという話を紹介したが、ある程度決まりきったことならば現在のデジタル技術は対応できる。まあ国会質問/応答が決まりきっているということなら、それはそれで問題だが。

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 人工知能というかどうかは別にして、コンピューターに人間の仕事が奪われるという話は古くからある。公共料金の計算をやるために膨大な人員がそろばんをはじいていたという話もある(戦後間もない頃のインフラ企業)し、銀行マンが会社の経理部署と一緒に従業員給与の袋詰めをしていたこともある。
 
 近年でもCGで映像が作られ始めたときに、Batmanがひらひら降りてきて立ち上がるシーンに俳優組合がクレームしたことがある。高所から舞い降りてきて着地するところまではCGでも仕方がない。人間にはできないことだから。しかしその後立ち上がって歩み去るところまでCGで作るのは、俳優の仕事を奪うものだとの主張だった。

 その訴訟/主張の結果がどうなったかは知らない。今はCGにこだわらない監督も出てきて、適度なすみわけができたと思う。ニュースのヨミ子さんも結局は視聴者が受け入れるかどうかで運命が決まるだろう。アナウンサー組合の意向で決まるわけではありませんよ。