Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

政策対立軸の作り方(2)

 批判があったせいか一時期若狭議員らの言っていた「一院制」、最近は効かれない。確かに、過去には「こんなものいらない参議院」という議論もあった。予算など衆議院で可決されたら、放っておいても成立してしまう。解散総選挙はないし6年と長期にわたり議員でいられるから、一度当選してしまえば何もしなくても歳費がいただけて議員会館に1室がもらえ、数々の特典がある。

 
 選挙制度衆議院と大差ないのでミニ「衆議院」と化してしまって、存在自体に意味があるのかとの議論はある。法案を2度審議しなくてはいけないのもスピード感に欠けるし、安倍総理の悲願である「憲法改正」のハードルになっていることも確かだ。

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 若狭議員がどうして「一院制」を持ち出したか、小池都知事が議員時代に取り組んだテーマだったということ以外に、既存政党が賛成しにくいことだからだろうと僕は思う。既存政党は、大なり小なり参議院議員を抱えている。こののような課題はあろうと、党内の議員仲間のことを考えれば彼らのポストがなくなることを賛成とは言いにくい。ただ、新党の中心政策が「一院制」という永田町に限定されたものとは、少しちいさすぎるように思う。
 
 最近米国政府との付き合いが出てきて少し勉強したのだが、二大政党先進国のひとつ米国でも対立軸探しに苦慮し始めている。従来、共和党は保守・ちいさな政府・キリスト教の価値観であり、民主党はリベラル・大きな政府・マイノリティ重視であった。
 
 しかし現実には、本当に小さな政府が実現できると思っている議員はまずいない。市民に求められるのは、大きな政府かより大きな政府かの選択である。比較的年収の低い人たちに健康保険をという取り組みは、クリントン政権の時にトライアルして失敗、オバマ政権で「オバマケア」として成立した。オバマケアは「災害」だと放言して大統領になったトランプ氏だが、その撤廃は共和党内からも反発され若干の修正(トランプケアと名前を変える程度)に落ち着きそうだ。
 
 翻って日本の二大政党制への道だが、55年体制の「改憲自民党 対 護憲:社会党」のようなものでないとすると何が望ましいのだろうか?
 
<続く>