Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

政策対立軸の作り方(1)

 細野・若狭新党も準備が整わない状況で、民進党を中心とした野党共闘の行方もグレーな今、確かに与党としての解散総選挙の好機ではある。もちろん大義名分が立つかという疑問はあるのだが、勝てば官軍というのもまた真理である。少数政党や無所属議員にとって、何らかの連携・共闘を組める相手がいるならば、選挙は戦いやすい。しかし政策が根本的に違う相手と組めば、「野合」と揶揄される。

 
 多くの政治家が言うように、政党の基本は政策である。政策が合わない団体や個人とは、緊密な連携ができないのは当たり前である。ところがそうは言っても数が集まらないと、できないことも多い。かつて自民党最大派閥田中派では、「数は力、力はカネ、カネは数」というロジックが公然と唱えられてきた。
 
 議員数が多ければ政策が進めやすくなる、これは利権(力)につながる。利権には合法・非合法含めてカネが集まってくる。そのカネを再配分すれば、支配下におく議員の数が増えるというわけ。昨今の政党助成金制度は、それをさらに直截的にして「数はカネ」という道を作ったようなものだ。
 
 しかしいろいろな人が集まってくると、その人の考えやその人が背負っている支援組織・団体の考えがピュアな政党理念とは相容れないことが起きる。そこで、党を割って「純化」しようという話が出てくる。剛腕で鳴らした小沢議員など、何度も政党の離合集散の中心を務めた。新進党民主党という大規模政党を仕立てたかと思えば、自由党や生活の党といった少数政党で出直すこともあった。

    f:id:nicky-akira:20190508222709p:plain

 
 衆議院議員選挙制度中選挙区から小選挙区になり、比例代表の精度はあるものの1選挙区から1人しか当選しないとなると、小規模政党には不利だ。そこで二大政党ができると期待した向きもあったが、現実にはそうなっていない。二大政党が成立するには、明確な対立軸がないといけない。日本の現状「安倍一強」は、野党側がどういう対立軸を作るかを失敗した結果から生まれたものといってよかろう。
 
 「今なら勝てる解散」を決行した安倍総理だが、民進党解党的出直し(か身売りか?)という奇襲にあって、顔色が変わった。麻生副総理の方が「おたおたするんじゃなぇ」と言い放ち、さすがベテランと頼もしく見えた。メディアは安倍対小池とはやし立てているが、小池新党の方は何を掲げるかよくわかっていない。
 
 ・消費増税凍結
 ・原発ゼロ
 
 だとも聞くが、おなじようなことを言っている共産党は(野党連合が吹き飛んで)激怒しているし、真の対立軸は不透明なままだ。
 
<続く>