Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ビールのソムリエ

 仕事でベルギーのブリュッセルへ行く機会があった。成田からではあるが、日系の青い航空会社の直行便があるのがありがたい。仕事がおおむね終わった夜、現地駐在の人にホテル近くのレストランへ連れて行ってもらった。何がいいですかと聞かれたから、例によって「この土地のもの、特にお酒はここで一番飲まれているもの」と答えた。

 
 冬至の時期で、ヨーロッパはかなり寒い。最初の朝など、マイナス6度まで下がった。それでも、ベルギーの人が好むのはビールだという。別の人からも「ベルギーの誇りは3つ。サッカー、チョコレートそれにビールだ」と聞かされた。それじゃやっぱりワインじゃないよね、ということで繁華街から1本奥に入った路地の小規模な料理店に入った。

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 これだけ寒くてもどのレストランにもテラス席があって、夜になって冷え込んでくるとビニール幕を垂らして冷気を防いでいる。日本では屋台くらいしかこういう風景は見られないが、この国ではごく一般的なことのようだ。入ったこの店では、テラス席は道路上にある。不法占拠なのかどうか、外国人にはわからないが。
 
 さて席に着くと、最初に出てくるのが飲み物のメニュー。当然ほとんどがビール。メニュー上のコメントは、オランダ語とフランス語なので読めない。どうしようかと迷っていると、どんなものが好みか駐在の人が聞いてくれた。僕は黒ビール系が好きなので、そういうと店の人を呼んでくれた。このお兄さん、ビールのソムリエなのだという。

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 彼に(英語で)好みを伝えると、さっそく1本持って来てくれた。注文通りの黒ビール。室温が低いせいもあろうが、ほぼ常温で泡立ち良く、香り良く、まったりとした味わい。アルコール度数は8%と、ビールとしては高め。ドイツの白ワイン「マドンナ」などは9%だから、確かに食事にワインは必ずしも要らないだろう。
 
 これは美味いぞとほめると、次々に持ってきた。ビールによってグラスの形状も違う。総じて濃いめの銘柄にはふっくらしたグラス、薄めの銘柄には細めのグラスというのは、ワインと同じような感覚。料理は盛り合わせ一皿を二人でシェアしただけだったが、おつまみとしては十分だった。330mlを3本飲んで、昼間の会議の疲れもあり、十分酔っぱらってしまいました。