Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

元祖ストリート・ビュー

 

 正月2日に東京読売新聞社前を出発し、箱根の芦ノ湖へ。翌3日は芦ノ湖畔を出発して、読売新聞社に戻ってくる。これがお正月の恒例行事のひとつ、箱根駅伝である。110km近い距離を、10人のリレーでつなぐ孤独なはずなのにチームワークを感じさせる不思議なレースだと思う。
 
 ひとりで20kmあまりを走るというのはハーフマラソンに匹敵するもので、これが10人必要だというのだからかなり厚い選手層をもっていないと一流校には数えられまい。また10人の体調が当日整っていないといけないし、アクシデントも最小にするような努力も必要だ。かなりストイックな競技と言える。「エキデン」というのはそのまま世界用語になっているようで、日本独自の競技の代表格である。

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 この写真は、箱根駅伝のスポンサーである読売新聞社の玄関にあるエキデンを表したもの。腰のあたりにあるものは、ゴールテープを示しているらしい。台座にある「絆」の文字は、10人がつないでいくことを象徴している。
 
 田舎にいたころから、正月の箱根駅伝は母親が大好きだった。理由は100km以上に渡って知らない街の映像が見られること。ある意味昔ながらのストリートビューというわけ。タスキをつないで走る選手たちよりも、国道1号線の沿道をリアルタイムで見ることができるサービスは40年前にはこれくらいしかなかった。あまり外に出たことのない母親にとっては、外界を見る貴重な機会だったのだろう。
 
 小涌園で応援する宿泊客たち、1号線沿いで小旗を振る地元の人たち、古い街並み、新しい建物などなど、興味深い光景だった。正月の、先代NINJA家の風物詩だったことを、思い出しています。
 
<初出:2018.1>