Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

三宅坂の初夢

 昨年の日本政界は、良くも悪くも「小池旋風」に尽きるだろう。小池都知事都議会議員選挙で自民党をブッ壊し、余勢を駆って民進党を分裂させ衆議院議員選挙を戦った。排除発言の是非はともかく、それで流れが変わり潰すつもりだった勢力が「立憲民主党」として、大いに勢力を伸ばした。

 
 枝野代表の全てを肯定はしないが、立派な政治家であることは間違いない。民主党政権の震災対応には批判も多々あるが、枝野官房長官の真摯な頑張りがなかったら、あの時点で民主党政権は崩壊していたと思う。いや、日本が崩壊していたかもしれない。
 
 さて3つ(立憲民主、希望と元々の民進)に分かれた後に、参議院議員がほぼそっくり残った民進党は大塚代表のもと3党での統一会派結成を目指している。だが、例えば安保法制や9条改憲などのテーマでは、立憲民主と希望は合意できまい。だから、3党で統一会派はほぼ難しいだろう。そんな中、立憲民主の勢いを期待してか、何人かが立憲民主入りをしている。
 
 

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 この記事で驚いたのは、赤松副議長が立憲民主の純化から旧社会党に似た勢力を伸長させようとしているという観測。確かに彼は旧社会党の出身で、大物が引退したり鬼籍に入った今となっては最長老だろう。旧社会党社会民主党となったが、党勢の衰えは隠せない。吉田党首自身、落選中である。だからといって、立憲民主党に旧社会党の役割や規模などの党勢を期待するのは間違いだと思う。
 
 55年体制というのは、自民党社会党イデオロギー対立に見せかけたなれ合い政治だったことを忘れてはいけない。戦後復興のためには、そのような政治的スキームは必要悪だったかもしれない。しかし今は国民に真実を知らせ、真の民主主義を求めるべき時である。表では戦うふりをし、裏で手を握る政治スキームが許されるはずはない。
 
 旧社会党的なものへ立憲民主党を誘うというような所業、「三宅坂の初夢」で終わると思いますよ。もし成就するなら、国民にとっては「悪夢」です。
 
<初出:2018.1>