Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

怪しげなルフトハンザのおじさん

 青い日系航空会社のフライトは、フランクフルト空港にほぼ定刻に着いた。6月はミュンヘン空港で40分というアクロバティックな乗り継ぎをしたのだが、今回は70分ある。大きな空港で、日本からの便がついたゲートBからは、長い地下道を通っていかないとゲートAにたどり着けない。ウィーン行きの便は、青い日系航空会社と同じ「スターアライアンス」のルフトハンザのフライトだった。ドイツもオーストリアもEU域内なので、国内線と一緒。パスポートコントロールも税関チェックも存在しない。まあヒトラーの時代には同じ国だったし。

 
 ゲートAには、搭乗時間の30分前には着いた。どうも修学旅行らしいが、日本の中学生と思しき集団が集まってぺちゃくちゃやっている。高校生なのかもしれないが、それにしてもヨーロッパ(修学)旅行とは、僕らの頃には考えられなかったこと。この分なら、グローバル感覚に優れた若者が続々でてきてくれるのだろう。(ちょっと心配・・・)

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 到着便が遅れたようで、20分ほど遅れて搭乗開始。僕はA席(窓側)だったが、C席に陽気なドイツ人のおじさんが座っていてB席が空いていたことから、少し話をした。制服らしきシャツを着ているし、手元にはルフトハンザのマニュアルのコピーと、なにやら細かな数字を書き込んだメモを持っている。
 
 気軽に話しかけてくるのはいいのだが、気付くと手元に紙袋を持っていて時々口に運んでいる。どうも、50~100mlくらいの小瓶から何か飲んでいるようだ。これはウィリアムスやキルシュヴァッサのような蒸留酒だな、と直感した。
 
 90分程度の飛行の間も、メモを書いたり計算したりしながら紙袋を口に運ぶ。心なしか顔に赤みが差してきたような・・・。ウィーン空港に到着したら、上部の棚からジャケットを取り出している。あれ、パイロットの制服じゃないの?陽気に「ヴィーダーゼーエン」と言って別れたのだが、空港からのシャトルバスに乗ったら、また会ってしまった。ルフトハンザのバッジがはっきり見える。
 
 日本の航空会社の乗務員の飲酒も問題になり、イギリスでは9カ月ほどの実刑も喰らったと聞いている。ストレスが高まる商売だし、報酬も高いのでお酒に走ってしまう人も多いとニュースで言っていた。この陽気なおじさんも、そうなのだろうか?もちろん客室にいたので乗務員ではないのだろうが、隠れて飲んでいるところを見ると乗務でなくても機中の飲酒は制限されているのではと思う。気持ちは分かりますが、プロなんだからそこは考えてくださいね。
 
<初出:2018.12>