Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

軍事演習、ザパド2017

 米韓軍事演習が先月末で終了した。これを隠れ蓑に北朝鮮指導者の暗殺を謀る「斬首作戦」などが噂されていた。かの国の指導者としては(映像では満面の笑みだったが)不安な夜を過ごしていたはずで、まずは一安心というところだろうか。大嫌いなB-1爆撃機の夢も、しばらくは見ることはあるまい。

 
 この演習、B-1爆撃機を日本の航空自衛隊機がガードするような派手な映像が多く流されたが、演習の多くはソウル地下の司令部で、コンピューター・シミュレーションで行われたようだ。近代戦の要綱は、C3Iと言われ、Command, Control, Communication and Intelligence である。先進国の軍隊はかなり以前からデジタル化され、歩兵すらもネットワークに組み込まれたオペレーターと位置付けられている。
 
 米韓軍事演習を、半島の緊張と高めるものと非難してきたロシアであるが、今度は自ら演習をするという。場所はロシアの西方(ザパドとは西方の意味)、つまり東欧諸国をにらんでのものだ。
 
 

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 この演習も、かなりの部分はコンピューター・シミュレーションで行われるようだ。トランプ大統領誕生に関わったとされるサイバー部隊も参加するのかもしれない。ロシアのサイバー部隊は、2005年にエストニアを大混乱に陥れたり、2008年のグルジア侵攻の尖兵を務めるなど古くから「活躍」している。近年のウクライナの大規模停電にも、関与が疑われている。
 
 ロシア(だけではないが)が米韓軍事演習に、何らかのサイバー攻撃をしかけて偵察行動をしたことは容易に推測できる。今度は米軍が、ザパド2017に侵入を試みるだろう。この記事は「奇妙な戦争」と言っているが、このような「Intelligence 行為」も含めて、サイバー空間では日常、戦争していると思っていい。さて、戦争放棄国家日本はどうするべきなのでしょうか?
 
<初出:2017.9>