Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ベルナー・オーバーラント鉄道

 ドイツは鉄道王国であるという。整備が進んでいるし、なにより正確だ。10分遅れるくらいあたりまえのいずくかの国とは違う。当然スイスもそうなのだが、王国というより「鉄道天国」のように思う。ベルナー・オーバーラントへ出かけた時、チューリッヒからの特急列車でも天井に届く広い窓から景色を楽しめた。

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 インターラーケンを入り口に、アイガー・メンヒ・ユングフラウなどを抱えるベルナー・オーバーラント地方には、楽しい乗り物がいっぱいある。
 
 ・アルプ式の歯車を付けて急坂を登る、登山鉄道
 ・急斜面を上下する、ケーブルカー
 ・2000mの高地へと運んでくれる、ロープウェイ 等
 
 写真の機関車は、斜面を上下することを想定してそれ自体が「傾斜」している。ちなみにスイスの鉄道は、こういう特殊ケースを除いては、全て電化されている。
 
 さてベルナー・オーバーラント鉄道に乗ると、4人掛け席の窓側に小さなテーブルが備えられている。その下はゴミ箱になっているが、これは珍しいことではない。面白いのは、テーブルにベルナー・オーバーラントの地図が書いてあって、路線も示されていること。よく乗降扉の上に路線図を掲示してあるが、観光客にとってはテーブル上の路線図は大変ありがたい。
 
 

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 鉄道の頂点は、トンネルをくぐって登ってゆくユングフラウ。駅の前には氷河が広がっている。西側は、ラウターブルンネンからロープウェイなどを乗り継いで登るシルトホルン。映画「女王陛下の007」のロケにも使われたところだ。
 
 東側は、グリンデンヴァルトから長いロープウェイに乗って、フィルストまでの登山道にでる。手前には、シーニゲプラッテへの登山鉄道もある。ここには高山植物園があった。

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  日程の都合もあるので全部は廻れなかったが、印象に残ったのは、グリンデンヴァルトから望むアイガーと、ラウターブルンネンの上にある静かな村ミューレンだった。
 
 歩いていても、すぐそばで牛がカウベルを付けて草をはんでいる。柵のようなものもあるが、実質野放しのようなもの。鉄道が動き出して車窓を眺めたら、牛の車窓を覗き込んできた。6月も下旬だったがさほど観光客は多くなく、天候にも恵まれ、ゆっくり山の景色とハイキングを楽しんだ4日間になった。
 
<初出:2016.8>