Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

サウスウェスト航空の経営理念

 このところ、立て続けにサウスウエスト航空でトラブルが発生している。飛行中にエンジンが爆発して破片で1人の乗客が命を落とした。片肺となりながら、緊急着陸させたパイロットの沈着さや技量には感心したのだが、今度は飛行中に窓ガラスが割れての緊急着陸である。

 
 
 サウスウエスト航空はダラスを本拠地にした米国国内航空の有力会社である。南部に比重があるが、全米ネットワークはかなりの規模になる。僕自身は一度も利用していないが、機会があれば乗ってみたいと思っている。その理由は、20年余り前航空業界のことを調べていて興味を惹かれた会社だったから。非常に従業員を大事にする会社である一方、コスト意識が高く削れるものはなんでも削るという経営理念が気に入ったのである。
 
 ・機種はB-737に統一、整備作業や部品調達、パイロットやCAの訓練なども標準化できる。
 ・全席エコノミーで指定なし、搭乗券はセルロイド板でゲートで回収(今は電子搭乗券)。
 ・パイロットが窓ふき、CAが機内清掃をして人員と時間を節約。
 ・機内食サービスなし、機内誌以外のエンタメなし。
 
 従業員には高いレベルの自由度が与えられていて、チェックインカウンターでペットのカメを1週間預かった話や、ある航空会社が倒産した時そのゲートを現場の判断で占拠した話が伝えられている。
 

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 9・11の後の航空不況でも、全米で唯一レイオフをしなかった優良企業なのだが、このところの事故はB-737の老朽化によるものではないかと思われる。初飛行は1967年、もう半世紀も飛んでいる機種。しかし機種統一で得られていたメリットはそう簡単には手放せない。ここが経営戦略のポイントでしょうね。次はB-787でいかがですか?
 
<初出:2018.5>