今回のパリ出張はリヨン駅のそばに泊まってたので、懐かしい11区と4区の辺りを歩くことができた。バスティーユの広場から、今日は市場をやっていないがサンマルタン運河上のスペースを歩いて行って、地下鉄ブレゲ・サバンの駅に出る。昔3度ほど滞在したシタディーヌ・バスティーユ=マレはすぐそこにある。
たった20㎡ほどの小さなアパルトマンだが、キッチンやダイニングは使い勝手がよく市場で買ってきたものを並べるだけでも気分はパリジャンである。戸口を出て、歩道に置かれたテーブルでワインを飲んでいる人の脇を通り、角を曲がると冷凍食品の店「ピカール」がある。ここの品揃えは凄くて、最初に食べたペッパーステーキの味は今も忘れられない。
その先は、小規模なスーパーマーケット「フランプリ」。缶ビールやチーズ、ハム、バゲットなどを買ったものだ。その先、もうひとつの地下鉄駅シュマン・ヴェール(緑の小道の意味)があって、バスティーユを含めると3つの違う路線の駅に隣接した、交通の便のいいところである。突き当たった道が、ボーマルシェ大通り。道を渡って少し行くと、正方形の広場に出た。これがパリでも非常に古い名所で、ヴォージュ広場という。
アンリ4世がパリを美しい街にすると宣言して作ったと伝えられ、50m四方以上の広さはあるだろう。四方を、アーケード付きで同じ造りの赤レンガの建物が囲んでいる。中央には大分すすけてしまったが、アンリ4世の勇壮な騎馬像があって南を向いている。
ヴォージュというのはフランス東部の地方の旧名、このちほうからの収税額が多かったようでその名が冠されたとものの本にある。ここで暮らした有名人も多いそうだが、多分一番の著名人はヴィクトル・ユーゴーだろう。彼の住居は一部公開されている。
今は陰鬱な雰囲気が漂っている街になってしまったが、パリのストック資産には素晴らしいものがある。ちょっと歩いていくだけでこんなところがあり、優雅な気分に浸れるから。ストはまだ続いているのでしょうか、マクロン大統領の改革はうまくいくのでしょうか?期待していますよ。
<初出:2018.5>