Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

グローバル化する企業の人材採用

 選考解禁が8月がいいとか、4月がいいとか、いろいろ迷走した挙句、今年は6月というのが経団連の打ち出した方針。なんとなく、足して2で割ったような印象はある。企業も学生も正直言って早く決めてしまった方がいいので、解禁は早い方がありがたい。ただ昔から「青田買い」というように、まだ稲穂が実るかどうか分からないのに買い占めてしまうことには、リスクや問題も出てくる。適当な解禁時期を企業に課すというのは、あってもいいと思う。

 
 
 
 にあるように、7月に帰国することが多い海外留学生としては、せめて8月解禁にと思う気持ちはわかる。希望の会社は早々に内定を打ちつくし、門戸を閉じてしまっているかもしれないからだ。
 
 これからのグローバル時代、就職に有利と思って留学するのだが、卒業と同時にハンデを背負うようでは困る。これが日本からの留学生の減少を招いていると、文科省や大学関係者は嘆く。
 
 ただ、7月には打ち止めになっている企業ばかりではない。一流企業の中にも「通年採用」をする企業も増えてきている。今回は企業側の変化(というか成長度合い)によって、採用スタンスがどうなったかを見てみよう。
 
 NINJAが社会人になったころには、処女採用主義/終身雇用、国内偏重の採用だった。確か就職協定なるものはあって、夏から秋に掛けて採用試験/面談があった。博士課程のような専門性の特に高い人や、留学経験者などは別途の扱いだったような気がする。それも当たり前で、そんな人はごくわずかだったから手間隙もかけられたろう。
 
 その後外国人留学生を採用することも少しづつ増えてきたが、いずれ帰国する時には現地子会社に転籍してもらうことを想定していた。初期のグローバル化に対応した現地要員を、日本で鍛えるという意味だったろう。同時に日本人の海外留学経験者/記憶子女も採用するが、グローバル化部署の専門職が多かった。こういう特殊な採用(徐々に増えていたので特殊とも言い切れないが)は別枠だったので、通年採用もありえた。

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 そのうち処女採用主義が薄れてきて、経験者採用が増えてきた。当然ながらこれは通年採用である。終身雇用制はこのころには有名無実だったので、企業は第二期のグローバル化を達成しつつあったわけだ。そして本当のグローバル企業になろうという第三期になると、日本からの留経験者も日本への留学生もいいけれど、いっそ外国人/現地人採用でいいじゃないかとなる。今のトレンドでは、こういう企業が生き残る可能性が高い。
 
 だから学生諸君に言いたいのは、留学したのなら留学先の国の企業に就職することを一義に考え、帰国して就職先を考えるのはその次にしたらということ。今は第二期グローバル化の企業でも、あなたが働いているうちに第三期に突入する公算は高いのですから。8月解禁だったら、とグチをいっているヒマはありませんよ。
 
<初出:2017.9>