Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ハノーファーを食べる(3/終)

 国際会議が終わったのは夕方6時過ぎ、トラムを一回乗り換えてホテルに戻り書類の整理をして午後7時。公式行事は終わり、あとは帰るだけだ。もちろん、今夜の最後のディナーは楽しみにしていたものを食べるのだ。まだ日没まで3時間はある。メルキュールホテルのレストランはまだ混み合っていない。

 
 今日はしっかり食べたいので、飲み物はドゥンケルではない。小サイズ(300ml)のピルスを頼んで、食事はシュニッツェル。豚肉が普通で、薄く伸ばしたものをフライパンにたっぷりの油をひいて揚げ焼きにしたもの。名古屋でいう、「わらじカツ」のようなものだ。ドイツ人との合弁をやっていたころ、その会社の社員食堂で一番好きだったランチがこれ。

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 その後、出張で行ったウイーンで食べて感激、機会あるごとに食べている。大変だったドイツ出張のシメはこれに限る。昨日このレストランに来た時に、メニューにあるのを確認しておいたから、会議中から楽しみにしていたのである。(会議はまじめにしましたので、念のため)         
 
 ワクワクして待っていると、大きな皿に焦げ目のついたシュニッツェル、ポテトの炒め物、キュウリのクリームソース浸し、クランベリージャムが盛り付けられて出てきた。(約17ユーロ)
 
 肉料理に甘いソースというのは、若い頃は考えられなかったこと。しかしステーキにパイナップルなどの組み合わせを経験してからは、これもいけると思うようになった。肉の半分は塩コショウで、残りはクランベリージャムで食べた。ポテトは何かの油を十分吸っているようで、ずいぶんコクがある。2~3mm厚の豚肉にカリカリのコロモが混じって、いい食感。ビールが無くなったので、フランケンの白ワインをグラスに1杯もらった。
 
 甘いワインだが、クランベリージャムによく合う。徐々にお腹が一杯になって来て、この皿を食べつくすので精一杯である。でも最後の夜だ、もう少し何か欲しい・・・とメニューを見て食後酒を呑むことにした。ドイツ人は40度程度の蒸留酒を、水などで割ることなくストレートであおる。食べたものの「消化剤」と思ってるらしい。
 

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 頼んだのは「ウィリアムス」、洋ナシが原料で「ポワーレ・ド・ウィリアムス」というのが正式名称。サクランボの蒸留酒「キルシュ・ヴァッサ」はドイツ語だが、こちらはフランス語。元々はフランスの酒だろう。運ばれてきたのは、独特の医療器具にも似たグラスに注がれた褐色のもの。これで40ml、20mlから売られてているから、ダブルということ。(約10ユーロ)
 
 お水ももらってチビチビなめて味わいました。ドイツに来たら一度は口にしたいシュニッツェルにウィリアムス、両方味わえて幸せでした。明日は帰国です。
 
<初出:2018.6>