台北市内の中心からやや南、地下鉄淡水線の「大安森林公園駅」から東へ歩いて２～３分で、高速道路に行き当たる。これが建国南路という高速道路で、台北を南北に貫いてる大動脈である。平日に行っても何もないのだが、週末の休日は様子が一変する。
高速道路高架の下に、延々市場が立つのである。北半分は「玉市」でヒスイなどの貴石が売られている。聞くところによると、まさに「玉石混交」。素人では取引は難しそうだ。南半分は「花市」。切り花、苗木、種、ガーデニング用品、肥料などが並んでいる。
台北滞在中は、週末が待ち遠しく、必ず一度は行ってみる。淡水線がここまで伸びたのは比較的新しく、清潔で明るい駅を降りると、南側に大きな公園が広がっている。これが駅名にもなっている「大安森林公園」。戦後は違法建築が立ち並びスラム化したエリアだったようだが、しばらく前に全部撤去してしまって、公園として整備したと駅の案内に書いてあった。
全長約400mのガード下が全て市場である。僕たちの大好きな「蘭」もたくさん売っている。さすがに旅先で買うわけにはいかないが。この時は帰国の日が日曜日にあたり、チェックアウトまで少し時間に余裕があったので、荷物をまとめてから出かけてみた。
とにかく暑いのだが、ビニール幕で外気をある程度は防いでいて、内部は霧吹きをして温度を下げている。面白いのは、エアープラントのコーナーがあったこと。「地上最強植物」と書いてあって、日本人でもよくわかる。何も買わなくても花を見るだけでも価値があるので、もし週末２時間ほど時間があれば行ってみてはいかがでしょう。
＜初出：2016.12＞
