一躍政界の台風の目となった、小池新党こと「都民ファーストの会」。多くが1年生議員でまだ「躾け」の段階にあるせいか、かなり厳しい情報統制がされているようだ。ようやく都議会の議長等が定まり議会運営が始まったが、相変わらず個々の議員のオピニオン等は聞こえてこない。(おときた議員のつぶやきは続いているのだろうか?)
これに関して東京都知事選に惨敗した大前研一候補(当時)が、今回自らの経験も踏まえて下記のようなコメントを発表している。
国政・都政・県政・市政を問わず、市民が既存の政治に倦怠感を持っているのは事実である。それは、決して日本だけの事ではない。トランプ大統領・マクロン大統領の誕生や、「Brexit」、イタリアの憲法改正否決など意外なことが起きた背景に、この倦怠感があることは疑いがない。
倦怠感を吹き飛ばしてくれるのは、新しい風である。既存政治と無縁な候補・主張・イメージ等には、それなりの魅力がある。ただ、彼が指摘しているように、それへの期待は一過性に終わることが多い。
政治の世界というのは一筋縄ではいかない。新しい風も、政権を担うとたちまちに手垢がついてくる。これを官僚のせいにする人たちもいるが、一概にそうとも言えまい。官僚主導からの脱却を標榜した民主党(当時)政権は3年で瓦解、人事等で締め付け官僚統制に一応の成功を見た安倍政権は存続している。まあ、官僚組織との悶着は今後も続くだろうが。
小池知事としては、まずは都政の立て直し。これがあって始めて国政復帰の可能性が出てくる。でも2期8年やると年齢も年齢なので、日本初の女性総理に手が届かないかもしれない。そこで「日本ファーストの会」の結成と相成ったのだろう。受け皿作りはお早めに、というわけ。
このコメントで、久しぶりに「平成維新の会」の名前を思い出した。僕は、維新の会大前代表の著作はかなり読んでいて、政治に目を開かせてくれたのも彼だった。一時期、勢いでビジネスマンを辞めて政治の世界をと考えたこともある。結果としてはビジネス界からICT政策で霞ヶ関・永田町に関わるようになって、それが僕には分相応ということを感じた。何しろ選挙民の皆さんに頭を下げ、清き一票をとお願いするのはまるきり得意ではありませんから。
<初出:2017.8>