ダウンタウンに滞在していて「いいな」と思うことは、歩いてすぐのところにも観光ポイントが多いことである。ワイキキにもあるよといわれそうだが、どうしても観光客向けに造った観光ポイントだから「史跡」などよりは興味が薄くなる。
「Aston at Executive Center」脇にフォート・ストリート・モールという歩行者用道路があって、ホノルル港まで真っ直ぐに続いている。飲食店(丸亀製麺やマクドナルド等)や屋台も出ていて、のんびり歩ける道だ。この道の終点に建つひときわ高い建物が港のシンボルである「アロハタワー」。かつては港の管制を担当する司令塔だったらしい。
塔の周りは以前行った頃には土産物の商店街や飲食店ばかりだったのだが、かなりのスペースが「ハワイ太平洋大学」に割かれていた。この大学、ダウンタウンの各所にも散っていて、古い建物や空いたスペースを活用しているようだ。大学の授業をしているすぐ隣ではクルーズ船が出港準備をしており、見送りのフラダンスやハワイアンの生バンドが演奏をしている。
さらにその隣はスポーツバー。昼間っからビールやカクテル片手にフットボールの映像を見て歓声を上げる酔客がいっぱいいる。この大学、一体どんな授業をしているのだろうか?
ホノルル港を見渡すデッキにでてみると、目の前に日本の水産庁所属の船が停泊していた。この海の向こう側は日本なのだと思った。この周辺は番号の付いた埠頭がずらりと並んでいる。税関らしき設備も見られたが、いずれにしても使われている気配はない。すでに実用的な港の役割は終わり、観光スポットとして生きてきたのだが、それも行き詰まって大学へレンタルされたのかもしれませんね。
<初出:2018.2>