Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

ワイキキの実弾射撃場

 銃というものは、特に男の子にとって興味を惹くものである。子供のころ映画やTVで主人公が拳銃を撃ちまくり、ライフルや短機関銃を持った敵兵をバタバタ倒すのを見て「ライフルって役立たずだな」と思ったものだ。だから、拳銃のモデルガンは大好きで、僕はコンパクトさから(古い銃だが)ブローニングの1910が好きだった。

 
 大体銃器の世界では、ICTには及びもつかず技術革新が遅い。米軍はコルトガバメントを1911年に制式採用し、1985年まで使った。第一次世界大戦から、太平洋戦争、朝鮮戦争ベトナム戦争を経て3/4世紀第一線で使い続けたわけだ。TVドラマ"Combat" でもサンダース軍曹が、サイドアームとして携行していた。

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 サンダース軍曹がこれを持っていた事情はわかる。彼のメインアームはトンプソン短機関銃で、弾薬は.45ACPでありコルトガバメントと同じだ。TV画面でそういうシーンは記憶にないが、トンプソンが故障し弾倉だけが残った時これらの弾丸はコルトで使えるわけだ。
 
 しかしいずれにしても、コルトの有効射程は15mくらい、トンプソンのそれは100mが精々、ジャングルや市街地以外では役に立ちそうもない。冒頭にあるような、ライフルをもった敵を(弾丸の尽きない魔法の)拳銃で倒すことは、あまり現実的ではないだろう。
 
 昨年ホノルルに行ったとき、ワイキキを歩いていると怪しげな日本語で話しかけてくるヤカラがいた。Tシャツには「実弾射撃」と日本語で書いてある。昔釜山の実弾射撃場で爆発があり、九州方面からの日本人観光客が何人か犠牲になったことがある。銃の暴発ではなく、粉塵爆発だった。
 
 日本での銃器の所持はスポーツ用か狩猟用に限られ、厳しい制限がある。もちろん隠して携行可能な拳銃は全くの「ご禁制品」である。だから海外に出かけて「ぶっ放して」やりたくなる人もいるだろう。ただ、射撃というのは見た目より不潔な作業だ。火薬のカスが体や服に付着するし、管理の悪い射撃場だと上記釜山のような事件になる。
 
 銃器は美しい、とは思う。しかし、実際に使うようになるのはご免こうむりたいですね。
 
<初出:2017.1>