Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

片側一車線の高速道路(前編)

 徳島県で、痛ましい事故があった。エンジン不調で路肩に停まっていたマイクロバスに、大型トラックが突っ込みマイクロバスはガードレールを破って転落、路上にいた運転手のほか乗客にまで死者が出た。トラックに突き落されたマイクロバスは、大破していて事故の激しさを物語っている。

 
 
 トラック運転手の前方不注意、もしくは居眠りなどが疑われるが、その他にも問題はある。ここが二車線から一車線に変わる不安定なポイントだったことだ。それ以前に、一車線の高速道路なんてあるのか、と思われた向きも多かったかもしれない。実はここ、僕は一度通ったことがある。
 
 総務省の主催で、地方活性化のためにICTを活用しようという地域懇談会を2日がかりで開催した時の事である。初日は飯泉知事(最もICTに理解の深い知事のひとり)のもとでの会合を行い一泊して、翌日に愛媛県松山市に向かった。その朝、通ったのが徳島自動車道。僕も一車線の高速道路というのは初めてで、危ないなと感じた。
 
 合流地点はカーブもしているしただでさえ危ないのだが、一車線が続く真っ直ぐな所でも少し緊張する。中央分離帯がなく、極めて簡素なポールが中央にまばらに立っているだけ。確か時速80km/hに制限されていたと思うが、対向車とすれ違う時は風圧を感じる。

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 どうしてこうなったのかは、高速道路建設を巡る政治の暗闘だったことはすぐにわかった。全国総合開発計画に沿って進められてきた高速道路建設が、公共事業削減によってスローダウンさせられたのは、ある業界団体の勉強会に出た時に理解した。
 
<続く>