Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

公共交通利用促進のカギ(前編)

 高齢者の運転による事故が増加傾向で、免許返納のキャンペーンなど張っている自治体もある。免許とクルマを取り上げたあとどうするのかと言えば、公共交通の充実しかないのは自明である。

 
 最近公私にわたって行く事が多くなったヨーロッパの都市では、バスやトラム、近郊鉄道(Sバーン)、地下鉄(Uバーン)などが市内限定で乗り放題になるチケットがポピュラーだ。高齢者/交通弱者向けに、無料パスを提供しているところも多いと聞く。そもそも、ヨーロッパの鉄道等には改札口がない場合が多い。抜き打ち検札のときに、配慮すればいいだけのことだ。

 さて日本ではというと、地方の交通事業者は疲弊していて、路線や運行数の維持さえ難しくなっている。利用者が増えるメドも立っていないし、運転手不足も深刻だ。そんな中、京都府亀岡市で「敬老(割引)乗車券」が伸び悩んでいるという記事があった。

http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20171126000134

 正規運賃がいくらなのかは記述がないが、200円を下回ることはないだろう。4~5割近い割引率のはずだが、利用されない。記事では「広報不足」が原因としているが、それだけではないと思う。一般には、地方の公共交通は使いにくいから利用されないと思われている。

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 いわく、バス停が遠い、本数が少ない、時刻表どおり来ないから不便と言われてきた。そこで、オンデマンドバスやバスの到着予測システムなどの実証実験を、国予算など使ってやってみた。多くの結果は、システムに相応の費用を掛けたにも関わらず効果不十分で終わっている。

<続く>