Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

沖縄のICカード

 2003年、これまで鉄道が無かった沖縄県にモノレールが開業した。現在那覇空港駅から首里駅までの12.9kmが営業していて、首里駅からてだこ浦西駅までの4.1kmが工事中である。この区間は、2019年に開業する予定という。ゆいレールが開業したことによって、日本最西端の駅が那覇空港駅となり、日本最南端の駅が那覇空港の次の駅である赤嶺駅となった。それまでは、いずれもJR九州の駅だった。

 
 最西と最南が隣り合っているので、鉄道好きの僕としてはいつかこの2つの駅に行ってみたいと思っていた。今回那覇空港駅には行けたが、まだ赤嶺駅にはお目に掛かれていない。今度は是非と、思ってはいる。
 
 ゆいレールの乗車券としては、普通乗車券のほかゆいカードというプリペイドカードが使われていた。これが、廃止され、2014年にICカード乗車券「Okika」が導入されている。これが沖縄で使えるようになった、最初の交通系電子マネーになった。ただし「Okika」は「Suica」などとは互換性はない。「Suica」と互換性を保つには、相応の「会費」を支払う必要があり、これが小規模の団体では高額すぎるということらしい。

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 しかし2015年から、沖縄のバス路線でも「Okika」が使えるようになった。使える路線も増えて、2016年にはほとんどの路線でOKだ。沖縄の路線バスは結構遠距離を乗るので、すぐに1,000円くらいになってしまう。「Okika」導入前は、小銭をたくさん持って沖縄旅行に行ったものだった。
 
 便利になったのだが、根本的な問題は残っている。沖縄の路線バスは4社が入り混じってやってくる。国道58号のような基幹路線では、4社のバスが立て続けにやってきて乗客は先頭のバスにしか乗っていないこともある。
 
 ICカードのデータを使って、バス路線の統廃合やダイヤ改正をしている地方バス会社(例:新潟交通)はすでにある。ただこれは、ほぼその地域を抑えている単独のバス会社だったからできたという人もいる。

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 沖縄の4社がICカードデータ全体(ゆいレールも含めて)を使って、トータルな路線の統廃合やダイヤ改正をできるくらいになってくれたら、と思う。複数の競合する企業が情報を出し合ったという例は一つしか知らない。東日本大震災のあと、一般車のプローブ情報を4つの自動車メーカーが拠出しインターネット上の地図に「過去24時間クルマが通れたところ」を示した。これによって、現地のどこが孤立しているかが一目でわかるようになった。輸送や要員派遣にあたり、どれだけの無駄をはぶけただろうか。
 
 沖縄本島というまとまりのいい地域で、ゆいレールを含めた5社には、ぜひご検討いただきたいですね。
 
<初出:2017.3>