今回乗った羽田・シンガポール路線、787の新しい内装や設備を経験した。ビジネスクラスシ-トがボックス型であることは変わらない。まして後ろ向きシートでもない。ただ、微妙に内装が変わっていた。
シートの通路側下部に足をかけるくぼみがある(天井の物入れを開けるのに届かないとき、ここに足をかける)のだが、これがくぼみではなく吹き抜けになっている。内側から見ると、足元の荷物入れスペースに穴が開いているように見える。この変更は部品や工数を削減する効果がある。
食事用のテーブルだが、以前はTVの下から出てくる構造だった。これが脇のテーブルの中から水平に出てくるようになった。少し広くなったようだし、操作も楽になった。これも複雑なテーブル構造を改善していて、部品・工数の削減が認められる。
脇テーブルにロック機能付の小物入れがあって、スマホや文庫本などを入れていたのだが、これが無くなってしまった。ヘッドホンなどを掛けるフックが新しく付いた。この変更は、少し利便性を損ねた。
ずっと昔「ものづくり」をしていた経験からすると、これはかなり徹底したコスト削減をしたなと思った。少し前のスペースが狭くなったかもしれないが、気にするほどではない。まあ利便性や居住性を損ねない範囲での工夫はぜひやってほしいものである。
嬉しかったのは、モニター画面に出るスカイマップが改善されていること。これは一二度経験しているのだが、今回はじっくり機能をチェックする余裕があった。画像は「コックピットモード」というもので、高度や速度、機首方向などが表示されている。特に高度は着陸態勢に入る時には重要な情報なので、これが常時表示されるのはありがたい。
さらに今回見つけたのが外部映像の表示。以前からカメラという項目があるフライトもあったのだが、だいたい雲しか映っていないのであまり意味がなかった。今回の外部表示はカメラではなく、CG。それでもフィリピンの島や沖縄の上を飛ぶときいかにもコックピットにいるような気分にさせる。正面だけでなく、左右の映像に切り替えることもできる。
このところ海外出張が立て込みフライト上で見たい映画は見つくしてしまったので、こういう新しいエンターティンメントは歓迎です。
<初出:2017.7>