Cyber NINJA Archives

2016年からの旧ブログを整理・修正して収納します。

日本の港湾(4)

 21世紀になったばかりのころ、ITによる港湾業務の効率化というのを考えたことがある。モデルになったのはシンガポールの港湾について聞いた話しだった。いわく、

◆コンテナ船上でどのコンテナがどういう順番・位置関係で積んであるかはデジタルで記録されている。ちなみに、コンテナに世界共通のユニークなIDは振られている。

◆船が接岸した後どういう順番でそのコンテナを下ろすかは、プログラム済みである。複数の荷主が出した要望を、パズルの要領でスケジュール化してゆけば良い。人手でもできるがコンピュータを使えばより早く、正確にできる。

◆コンテナ・トラックの運転手は「カーナビ」の示すままに、決められた時間に決められたヤードの位置に駐車する。船の接岸スケジュールや荷下ろしの順番から、時間を特定しておく。もちろん場所も。あとは通信機能を使ってトラックにその情報を伝えるだけ。

◆ガントリークレーンのオペレータも、表示パネルの指示に従って対象コンテナを、指定の場所に下ろす。上記と同じ情報は当然クレーンにも伝えられているし、クレーン作業の遅れなどあれば、スケジュールにフィードバックされて、トラック群などの指示が変更される。

◆この間に税関等の手続きは、特殊なものを除いてデジタル処理によって終了している。品物の内容や送り先、受け本などは登録済み。関税や統計などもこの時点で処理される。クレーンの操作によって確実に通関したという記録は、デジタルとして残される。

◆トラックの運転手は、コンテナを積み込むと再び「カーナビ」の指示に従って目的地に向かう。高速道路の料金なども自動的に加算され、記録に残る。
 

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 どこまで本当かはわからないが、これは効率のいいシステムだ。どうやって開発したかと現地事務所経由で問い合わせると、「我々はこうしたい、とニーズを言っただけだ。システム構築の会社が全部やってくれた。ちなみに基本的な技術や部品は日本のものが多い」との返事だった。

<続く>